ほほえみをかわすということ

昨日、とてもふしぎなことがあった。

 

私は何かを残しておきたい時、とにかく文字に起こしたいタチなので、ここに記す。

(前記事が4,000〜5,000文字くらいなので今回のブログはまるで短詩のようにあっけなく終わるよ、チャンネルはそのままで、この先を読んで)

昨日も、いつもどおり通学の電車に乗っていた。いつもどおりのはずの日常に、へんてこなことが起こった。

 

私は小田急線で始発の新宿から座って帰る。

もともとの定期は新宿を経由しないのだが、

理由の一つとして、眠りたいがためにこのルートを採用している。

 

だから、電車では、①いつも寝ている。

寝ているのを見かけたら、そっとしといて。

 

それか、②課題をしている。

津田塾はその課題の多さで有名で、

計画性のないわたしはひいひい言っている。

 

昨日も、Kazuo IshiguroのThe Remains of the Day(ゼミの本)を読みつつ、睡魔とも闘っていた。

 

あ、しばしば、③人間観察もしている。

昨日は、前の座席に座っている、はっきりした目鼻立ちの、個性的なファッションをしたボブヘアの女性が気になっていた。

 

ここまでで、

決定的な瞬間について書く用意ができた。

 

私がThe Remains of the Dayを読んでいたつもりが、いつのまにか寝てしまっていて、何かの拍子で目が覚めたら0.0秒後にその女性と目が合った。

その女性は0.1秒後ににんまりと微笑んだ。

つられて、私もにんまりと微笑んだ。

その瞬間、この人は誰だったっけと会ったこともない人だと自明なのに、すごく懐かしい気持ちになったから「久しぶり」と言うかどうか逡巡した。

その女性の隣に座っていたでっぷりとした男性が、私とその女性を訝しげに交互に見やった。わたしとその女性の間に流れるものは、心地よいものであったが、隣に座って見ていた男性からしたら不気味なものであっただろう。

 

この体験が何を意味するかはまだわからない。

けれど、非常に興味深いので残しておく。

 

あの女性には、この先の人生でまた出会うような気がしている。

 

私の寝顔が面白くてたまらなかっただけかもしれないけれど。人生は、ドラマチックに仕立てておいたほうが楽しいだろう。